乳化の効果
地肌の汚れ落ち、色の均一化に良いのは、サロン様の技術になかで実証されています。
乳化の時に起きていること
染め始めと仕上がる近くでは髪の染まりやすさ、傷みやすさが大きく違います。
染液は1剤2剤を混合した時から酸化染料中間体の酸化重合が始まり、2量体、3量体と重合した結果分子量が大きくなります。分子量が大きくなると浸透速度は遅くなり、浸透する深度が浅くなります。(⊖)
一方時間の経過で、髪の膨潤は進みますので浸透速度、浸透深度ともに好転します。(⊕)
乳化するときには、色素は大きくなり、膨潤が進んでいる状態です。
上の⊕と⊖が同時に起き、そのバランスで染まりに影響が出ます。それと同時に
色を保持すること、すなわち耐褪色性にも関係しています。
乳化の条件を変えて耐褪色性を見ると、個々の条件は記しませんが、下の写真のように条件によっては仕上がり、褪色に大きな差が出ます。
リタッチで起きることから分かること
例えば、染めるときに既に発色した染液を使ってもうまく染まらないし、染まって見えるところも褪色が早いものです。
しかし、リタッチの時に髪の状態にもよりますが、根本、中間あたりで発色した液を毛先に延ばして5分くらい置きます。接触時間も短いし、発色しているのですから分子も3量体などになり大きくなって浸透しにくいはずですが、根本と毛先の色の差が小さくなりきれいに仕上がります。しかも特に傷んだ髪を除いて、次の来店時まで実用上褪色は気にならない程度です。
乳化の場合
乳化では、最後の数分のこととはいえ、水を加えて染液の流動性を上げアルカリ量や水分量、染料濃度が変わるので染色結果に与える働きは大きい。
この場面では水を加えることで、膨潤程度は更に進むことが顕微鏡を使った簡単な直径の観察で分かります。膨潤が進んだときにあわせて染液が流動性を増すことも染料の毛髪内への移動を早めますのでよく染まることになります。染料が水で薄まる効果を越えて色素が入っているのですが、このとき毛髪内に残留しているアルカリや過酸化水素は膨潤で通りやすくなったキューティクルの層を通して毛髪外の濃度に近づきます。(濃度が下がるということです)
乳化を丁寧にすることで得られる効果
① 染料の浸透を進める
② 色ムラを小さくする
③ 毛髪内の残留物の濃度を下げる
④ 地肌のヘアカラー汚れを溶かしだす
以上