髪の色を考えます

髪色(色素+髪の状態)

⇒ 色の要素は髪の中に別々にあり、光の透過や反射はそれぞれが仕事をして合算したのが結果としての色の見え方です。したがって、髪の要素の中で光を反射したり、吸収する仕組みとその状態も関係します。

色素

髪色は人によって違いますが、メラニン色素の種類、量で決まります。

紫外線や、プールの塩素、ビーチなどでのオゾンなどで、髪が傷むのと同時にメラニンが壊れて量、種類とも変化するので髪色は変わります。

ヘアカラーのブリーチ効果、パーマ、シャンプーでも色が変わることは経験済みですが、ヘアカラーやパーマと違って化学変化を伴わないと思われるシャンプーでも頻度が大きいと色に影響が出ることがあります。

髪の状態

髪色としてはダメージなどで水分を維持できなくなった髪で乾燥が進み、そのせいで見え方が変わることも考慮に入れておくべきです。(水分を維持すると色が変わります)

ヘアカラーなどの色素が入った場合

髪の色素に加えてヘアカラーやヘアマニキュア、カラートリートメントなどで色素が足された時の色はどのようにして、見えている色を構成しているのか。

酸化重合による色素の合成が毛髪内で起きるとしても、水不溶性と説明される酸化染料は、何色の色素ができるかは製品や色番ごとに違うのですが、出来上がった色素が毛髪内に分散して配置されているだけです。ただ、メラニンを含むメラノサイトと呼ばれる塊から比べるととても小さくて光学顕微鏡では、(拡大率が1000倍でも)粒として見えるわけではありません。(図1参照)

酸性カラーは色素が表面に吸着するので、断面を見ても色はわかりにくいものになっています。

髪の染色への抵抗性

髪が健康な状態ではキューティクルを通過して、コルテックスに水が浸透していくには時間がかかりますし、酸性染料は表面で吸着されて中に入りにくくなっています。

ダメージ毛で色素や酸化染料中間体などが吸収されやすいのはキューティクルの機能が低下しているせいだといえます。また、ヘアカラー直後に髪がパサついたり、コシがなくなったように感じるのも、毛髪内に適度な水分が保持できないためです。

 

酸化染毛剤では、アルカリ性で髪が膨潤することを利用して酸化染料中間体の浸透をよくします。髪の膨潤は中性の水道水でも時間や温度の条件を整えれば(アルカリほどではないですが)膨潤し、水溶性のヘアケア成分が浸透するのを助けます。

膨潤は軽度のうちは乾燥すれば元に戻れる可逆性があります。膨潤は髪の損傷程度によって速さも程度も変わります。傷んでいると速く膨潤します。毛先の傷みが激しいときはシャンプーの後の水洗の時に根元と毛先の太さの違いが分かるくらい速く膨潤します。(染まりに差が出るはずです)

 

以上のことをまとめると次の①から⑤になります。

    仕上がりの色は、髪色と色素の合計です。

    髪の状態によって色の見え方に差があります。

    ヘアカラーの色素は水不溶性といっても図1のように小さくて粒状には見えません。

    毛髪内に水分を保持できる処置を施すことで染毛直後の髪の状態は改善できる。

    毛髪は染まりにくいものです。そこで、膨潤を使って染まりやすくする。

 

中に入れる色素の調整

酸化染毛剤の色素は、酸化染料中間体の組み合わせと配合比率によって出来上がる量、色素同士のひりつがかわります。(仕上がり色が変わる)

2種類のヘアカラーA,Bを混ぜたり、染め重ねたりいろいろな適用法がありますが、混ぜるときにちょうど中間の色になるとは限りません。(図2参照)

 

色素の配置について

色素ができるとき毛髪内にどのように配置されているかで色効果が変わります。

表面に近いほど光の反射に影響します。奥に配置されていると透過光に対して仕事をすることになります。

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