ハイブリッドで新しい色表現
酸性カラーをヘアカラーに混ぜるというのが、
かつてクレイロールにありニュアンスの調整に便利なものでした。
日本の薬事法上医薬部外品に混ぜるのは許されていません。
ヘアカラー直後に塗布するのであれば問題ありません。
しかし、酸性カラーに地肌への汚着を考えると、難しい技術になってしまいます。
これを解決するのに、髪がまだヘアカラーのアルカリの影響下にあるうちに塗ると
地肌の汚れは残りませんし、塗布もシャンプーブースでできます。
これで起きる嬉しいこと
① 地肌への汚着は完全に防げる
② ヘアカラーではでないニュアンスがでる
③ ヘアカラー直後のシャンプー時の髪のよれよれ感がなくなる(シャンプー後も効果は続きます)
④ 色もちはヘアカラー、上の酸性カラーともに向上する
⑤ 酸性カラーを地肌に近いところから使える
実際の処理に合わせると、以下のようになります。
A
白髪染めをライトナーの後に続いて酸性カラーという組み合わせ(⑤)では、酸化染料中間体にアレルギーを示す人に、根元から染められる酸性カラーの白髪染めが容易にできます。
この時の色もちは酸性カラー単独使用と比べてはるかに向上します。
後処理でワックスリングを形成すれば、1か月程度は十分持ちます。
B
ハイレベルのリフト力を持っているヘアカラーを繰り返している髪は、ヘアカラーの処理後の水洗で髪が絡み合い、まったくコシの無い状態になるので安全にシャンプーをしにくいことがありますが、酸性カラーを洗髪5分前くらいに塗布すると、色の維持とシャンプー時の毛髪のハリコシのためにニュアンスの調整(②、③、④)と同時にできる。
ヘアカラーとワックスリングでも仕上がりが大きく変わる
ヘアカラー直後の髪は、根元の色が弱かったり、乾きやすくなったり、ツヤやハリがなくなってしまったりとずいぶん不安定なものです。
仕上がり時にハリ、ツヤが回復すると、仕上がりの色の見え方が変わります。(色効果のパフォーマンスが向上します)それは耐褪色性の向上と連動しています。
或いは、トリートメントというのは色の均一化や、つやなどヘアカラーの仕事も含んでいるといえるかもしれません。
当たり前のことですが、ヘアカラーのパフォーマンスはヘアカラーだけでは決まらない。
適切な技術とのハイブリッドは顧客満足、耐久性などを向上させるためには避けて通れないことかもしれません。
他にもパーマとの共存や、白髪隠しとおしゃれ染めのように違う技術を調和させるなどもこの現行の反中だと思いますが、別の機会に触れます。
以上