こんなのも使えます

規格外の道具

ヘアカラーやパーマ、シャンプー、トリートメントなどでも、サロンには一般のドラッグストアやスーパー、薬局で売っているものと違うものが多くあります。

プロが使用するので、特殊な用途や状況に応じた商品が用意されていたり、同じものでも機能が特定されていたりするものです。

しかし、成分や製剤から見たときに専用商品でなくてもそれなりに効果を代用できることがあります。

例えば、成分や製剤をもとに表記すると

・卵黄レシチンでオリーブオイルを乳化して、酸性側にpHを設定したもの。

これは気づかれたでしょうがマヨネーズのことです。

ヘアクリームやトリートメントと似た表現になります。

実際には食品の賦香は化粧品とは違うし、pH調整をするなら酢よりクエン酸などの臭いの無いものを使うので

マヨネーズをそのままヘアトリートメントとして使うことはできません。

しかし、機能的にはレシチンとオリーブオイルで仕上がりがしっとりしたなかなの仕上がりになります。ずいぶん前のことですが、マヨネーズの大手メーカーがトリートメントのベースとして提案してきたものを見たことがあります。

化粧品メーカーは最善のものとして開発を進めているので、性能や使い勝手なども簡単には置き換えられませんが、必要な性能は身の回りの物を使っても得られることがあります。(先人の知恵として知っておいたほうが仕組みの理解に役立ちます)

そこで、規格外で同じような置き換えについて並べてみます。

まず、酸リンスとしてアスコルビン酸を使うというのがあります。ビタミンCのことですが、薬局で200gくらい入ったものが売られています。1%くらいになるように水に溶いて(使うたびに調製する必要があります)酸リンスとして使うと髪をシャキッとさせるなどの効果は得られます。さらに、ヘアカラーの既染部に使うと残留している色素の影響を弱くすることができます。はちみつレモンにビタミンCを補充して使えば、はちみつの保湿効果とビタミンCの既染部の色素のレデュースの効果を合わせた操作になります。

次に酸化染毛剤の染色液はヘアカラーの汚れを落とすのに効果的です。(ヘアカラー後の乳化で実証されています)

1剤を水で2~3倍に薄めて染毛する髪に前処理として使うと髪の膨潤を促すのと、その1剤の色のニュアンスを足すという効果で、染色効果としても向上するし、色の微妙なニュアンスを割と簡単につけられます。医薬部外品ですので用法が決められています。1剤と2剤を所定の割合で混合して使わないといけませんので、染液にして1~2分の放置で流すという使い方になると思います。

2剤単独では、弱いライトナーくらいのリフトができます。仕上がりの後に少し明度を調整する必要が生じたときには手軽な調整方法です。

また、酸性側に調製されているので毛髪のpH調整にも使えますし、さっと洗うように使うだけで毛髪表面の金属除去にもなります。

2剤単独での商品(スプレー式のライトナー)もありますが、サロンにある2剤は1剤と混ぜて使うことになっていますので、染料中間体を含まないブリーチ剤やライトナーとのミックスで使ってください。

染毛が完了した髪に、オイルなどをつけてアイロン処理(90℃前後120℃以下くらい)することで、発色した色素がわずかですが毛髪の内側にシフトします。

色の見え方、褪色への抵抗性の向上で影響が出ます。また、90℃以下だと使った油が髪によく馴染むので油の効果がグレードアップします。

砂糖水は、1%くらいで髪になじみの良い水になりますので、髪に水分を与えるときに重宝です。

小麦粉を水に溶かしててんぷらに使う程度にすると、髪の表面からの脂取り、タンパク成分の補給などに使えます。

胡瓜抽出液は保湿成分を含んでいますので、もともと食品としては多く含まれているというビタミンCと合わせて、髪の水分補給につかえます。

そんな無理しなくてもそれ専用の商品があるのですが、髪がダメージした状態に何を補うのかなどを考えるときのご参考になれば幸いです。

以上

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