油を髪に馴染ませる方法を持つことでケアの完成度は向上する
髪の損傷についてのケアでは、失ったもの、壊れたものを補います。
損傷している髪は、水分の出入りのコントロールができなくて(現象としては乾燥や多湿に弱い)有効な成分を浸透させてもシャンプーなどで溶けだして、内部に維持できない。
内部で結合しているという成分でも、キューティクルの機能が弱っていると持ちません。
これは、キューティクルが傷んでしまうと、元の成分であっても溶けだして、最終的に裂毛のように内部がスカスカになることから、明らかだといえます。
キューティクルの機能が低下していることを前提にヘアケアを考えるなら、何らかの方法で髪の表面、ないしはキューティクルの位置で撥水作用が発揮できるような処理が必須ということになります。
完璧に撥水というのではないですが、18MEAや皮脂に類似した油を髪に馴染ませるのは、ヘアケアの工程の仕上げになります。
乾いた髪には油は馴染みにくい
普段から、髪に油を塗ってケアするというのは昔からの定番ケアといえます。しかし、いろいろな種類の油で試しても、損傷して乾燥した髪に撥水効果を持つ油をなじませるのは(特に少量の時は)難しいものです。しかし、生乾き(濡れたものが乾いていく過程の表面の水気は取れて、内部に湿気が残っている状態)の髪ですと少量の油をうまくのばすことができます。油の層の厚みを薄くしていくと、①撥水性→②弱い撥水性→③表面の撥水はしないが水は通りにくい→④効果がない、と変化します。この中では③の状態がしなやかさや、ツヤによい影響が出やすいところです。
だから、できるだけ薄くオイルを塗り広げたい。生乾き状態の時はもっとも塗り広げやすい。
対応策
生乾き状態は実務上、シャンプーやコンディショナーの処理後しっかりタオルドライをした状態が近いといえます。
ヘアカラーの塗布にも生乾きというのは膨潤の効果とともにカラー剤の性能を十分に発揮させるのに有効な手段になっています。
“ヘアカラー施術のときの膨潤の効果“ご参照