ヘアカラーの時の膨潤

ヘアカラー施術のときの膨潤の効果を考えます。

ヘアカラーの染まる仕組み

ヘアカラーで髪を染めるとき、染まりを決めるのは

①    剤の強さや効果

②    染められる側の髪の状態や挙動です。

今回は②を考えます。

酸化染料ができる位置

酸化染料中間体をうまく髪の中に浸透させ、

その過程で過酸化水素によって酸化重合をすすめると、

毛髪内に酸化染料ができるというのですが、この酸化重合は

毛髪内に浸透しようがしまいが進みます。

だから、同じものを使っても、髪の浸透しやすい条件をそろえると比較的深いところで

酸化染料ができます。

膨潤

髪はシャンプーなどで髪の表面の疎水性を調整してやると水となじみやすくなります。

撥水する状態でないと髪に水が含まれてふやけます。(膨潤)

大豆を水で戻してから煮ると味がしみこみますが、毛髪も一度膨潤させると、水が入りやすくなります。このとき軽くタオルドライすると、毛髪の直径は、ほぼ元の状態に近づきます。

この状態の髪に水を接触させるとほぼ瞬時に膨潤した状態の直径になります。言い換えるとその前に水が届いていたところまで浸み込むということです。

染毛への応用

一度膨潤した髪をタオルドライで表面の水分をふき取ってから、染液を塗布すれば水が浸透していくのと同じところに染料中間体や過酸化水素を一気に到達させられることになります。膨潤した状態はきっちりと乾燥すればもとに戻れる(損傷しない)ので、染毛操作の前に髪を傷めず直径で20%増しくらいまで膨潤させて、髪表面から水分をふき取ればその位置からの酸化重合、その位置からのメラニンの脱色になります。

起きること

染料の配置が深めの位置になる。

メラニン色素が毛髪内に分散している髪の(ブリーチの効きが遅い髪)ブリーチが早くなる。

染毛剤に含まれるアルカリ剤(酸化剤を含む)による膨潤で起きる毛髪損傷を軽減できる。

都合の良いこと

深い位置に色素が配置されると、洗浄による褪色には強くなる

リフトアップが均一で効果的になるので発色がよくなる。

毛髪損傷が低く抑えられる。

ご参考(使える操作)

加圧蒸気による蒸し。(機器によるもの、蒸しタオルなどの活用など)

シャンプー後の濡れた状態を維持すること。(ハーブバスのようなこと)

弱いアルカリ性の水溶液でのリンス(5分くらい)

など

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする