ブリーチは強い薬剤を使っても、割と時間がかかるものですし、ムラになることが多いものです。更に強いものを使うと速く明るくなる代わりに髪の強度を超えて軽く引っ張るだけで伸びてしまいますし、そのほかの髪の素敵な性質を失ってしまいます。
そこで、脱色されるメラニンが脱色に対してどれくらい強いか、それを試してみました。
合成のメラニン色素の試薬を買ってきてそれを髪の色程度に分散させて、やや強いブリーチ剤程度の条件で脱色してみた結果です
思いのほか速く色が明るくなっています。外縁の時間を見てもらうと髪をブリーチするときの感覚と比べて異常に速くなっています。
この結果から想像できるのは、髪に浸透していくのに随分と時間を費やしているなということです。現に、上で言った”髪の強度を超えて”という強さだと仕上がり以降は髪の撥水性や保水性までも失って髪の大切な機能が失われています。「髪の状態で染まりが変わる」でも言いましたが、撥水性や保水性を維持するためにキューティクルが大きな役割を占めていますが、髪の明るさと引き換えに失った髪の機能をみるとブリーチの速さを決めているのはメラニンの強さではなく髪への浸透のしやすさ(しにくさ)であるといえそうです。
ブリーチで傷んだものを元に戻すことはできませんが、キューティクルの機能を補えば毛髪内の色材を褪色から守ることにつながります。